旧世代ENGのジレンマ

ここでは、従来(本来?)型ENGロケクルーの「伸び代」について考えます。当社代表も、もともとはこうした普通(?)のロケクルー出身。ですが常々「…従来型にとらわれないENGサービスがあってもいいのでは?」と思っていました。当事者が現場で感じていた「ここをこうしたらもっとよくなるかも」ポイント。それはとりもなおさず、本ホームページでご提案している「ワンマンENGクルー」の発祥ともなっています。ぜひご覧いただき、現場でのオペレーションをふり返ってみていただければ幸いです。

【従来のENGは「高い」。】

まず値段が高い・ここです。2名クルーのENGだと、安いところで10万円前後、高いところだと15万円前後します。そもそも、機材レンタル費が高い…たとえば少し前のデファクトスタンダードカメラ・HDW-750の1日レンタル代が6万円です。カメラだけで6万円。こうなると、加算加算で全体の値段が上がっていくのも仕方ないところ。その点当社は、機材は全て自社管理。レンタル費に引きずられることなく、定価で設定しています。

【省ける無駄がたくさん】

普通のENGクルーの値段が高い理由は、レンタル費にとどまりません。持参する機材ひとつひとつに単価がかかっている。それは人員も同じ。たとえ取材内容が季節の話題だろうが識者インタビューだろうが、フルセットで現場に乗り込んでくる。内容に合わせて機材を上手に増減、という発想が、そもそもない。さらに車両は必ず大きなハイエース(or最近はキャラバンも)…ダウンサイズ出来る要素が文字通り満載。自分もその軸スタッフとして動きながら、自ら「無駄の宝庫だよな…」と思いながら携わっていた、当社代表なのでした。

【多くの現場は1名で可能】

以上のように、現在行われているENGロケ。実はワンマンクルーで対応できる現場が半数以上。もちろんカメラマン的には、助手がいた方が助かるのは事実。しかし、それもちょっとした工夫で解消することが多々。機材運びひとつとっても、ディレクターさんに手提げひとつ持ってもらうだけで「人員1人分の値段が削除」できるもの。であれば。スマートなプロデューサーさんがどちらを選ぶべきか、言わずもがな。当社サービスは、こうした発想から生まれているのです。

【20年前とは「時代が違う」】

思えばつい数年前までは、現場に「デファクトスタンダード」といえるスタイルがありました。SD時代ならベーカムBVW-400A(もしくはD600)、HDになってからはHDW-750。しかし現在。収録規格が濫立し、極端に言えばカードリーダーさえあればどれでもOKな状況に。撮像版も多くはC-MOSとなり、CCDのカメラは超高級機種のみ。「どれを使えば問題ない」といえる時代ではなくなっています。逆に言えば、どれを使っても「扱いさえ巧みであれば」大丈夫な時代。そんな中、各プロダクションは技術面にも運用面にも熟練する必要があり、それが可能ならば大胆で斬新なワークフローを構築できる。そしてこの状況を享受し、新たな試みによって生み出されたのが、ここでご紹介している当社サービスなのです。