音声VEは本当に必要?

当社のENGロケサービスは、4万5000円(税別・諸経費別)。他社さまよりお高くはない設定です。このお値段を実現するための大きなファクター・それが「音声VEを随行させない」点。思えばこの音声VE、ENGロケを発注すると十中八九付いてくる。しかし音声VE、撮影する上で絶対に必要なものなのでしょうか。ここではその妥当性について言及してみたいと思います。

【従来のENGは「高い」。】

当社のENGは、カメラマン1名で音声・照明までこなします。実はこのスタイル・かなり現場の「理」にかなっていることにお気づきでしょうか。報道取材の場合、インタビューの撮影対象者はたいてい1~3名内。リミッター回路とレベル設定を使いこなせるなら、ミキサー自体必要ありません。しかも原則的に現場で音はミックスしない(ミックスすると後で編集できなくなる)。また多くの場合、ブームマイクも不要です。なぜなら「カメラガンマイクとマイク位置が、さほど変わらない」から。もちろんそうでない場合もありますが、割合的に被写体に近づける場合と半々。であれば、かなりのケースで音声マンはなしで大丈夫なことに。そんなケースには、当社のサービスがひじょうに便利。一方、こだわる技術者の中には「ミキサーを介さない音は『管理されていない音』だ」と考える向きもあるかもしれません。しかし実際は、ミキサーを介さずとも普通に聴く分には(最高ではないかもしれませんが)常識的に十分な音質です。さらに、報道で求められているのは『オーディオ的な高音質』ではなく『普通に聴いて問題のない音』。求められる水準以上の領域に、商品性の本質軸は置かれていません。その点からも、現場に合わせて音声マンを間引く選択肢を持つことは、意味のない努力・コストを省くための大きな要素、といえます。