いま気になるカメラ

さて、今回は少しくつろぎモード。「今気になるカメラ」のお話です。

といっても、けっこう身近なモデルを対象としますので「そんなんフツーに買えばいいじゃん」と思われるかも。でもそこは…イロイロあるのですよ、お父さんならお分かりでしょ?(笑)。

ということで。今回は本ページでたまに掲載される「カメラ談義」ねたです。

NX5R

欲しいカメラというか、今や業界でデジの定番 of 定番になってしまったカメラ。原型であるNX5Jに至っては2010年くらいの発表のはずですから、登場からなんと10年近く経っていることになります。というか、そもそもその5Jの原型はHDVのZ5Jだったわけですから、基本設計としては10年以上前のカメラ、ということになります。

にもかかわらず、今もベストセラーの立場を堅持し続けている。その理由は、パッケージが素晴らしいからに他ならないでしょうね。

手にしっくりくるデザインであり、また液晶で撮影するスタイルでも無理なく構えられる。さらにVX時代から練りに練られたボタン配置。指や手を無理に動かさずとも、必要なスイッチが必要な場所にある。これはもう、定番カメラになるべくしてなったと言わざるを得ないデザインです。悔しいですが(笑)。

ちなみに熟練のVEさんに言わせれば、このNX5シリーズでもっともベストなのは、ナント初代のNX5Jなんだとか。ご存知のとおり、5Jのイメージャーは100万画素。フル画素ではありません。それがゆえに敬遠していた人も多いはず。にもかかわらず、5Jが最もいいというお話。

というのも、そもそも1/3サイズでフルHD画素を詰め込むのは無理があるらしく、実は後継機のNX3は、ノーマルゲインの状態で実は内部的に「かなりゲインアップ」されているんだとか。で、ゲインアップで増えたノイズをNRで消すもんだから絵が甘くなる、という悪循環。こうなると、何のための画素アップかまるで分からない…といった構造なんだそうです。

NX5Jはもともと100万画素に過ぎないため、その辺に無理がなく、しかも絵に余裕があり調整のマージンが広いのだとか。なので、熟練のVEがサービスマンモードまで入って調整すれば素晴らしい絵が出るんだそうです。これは実はHDVのZ5Jでも同じこと。

こうした背景があるため、今でもNX5Jは中古で高値を維持し続けているんだそうです。

とはいえ、高画素のメリットがあるのも事実。それゆえ今新品でお勧めとなるとNX5R、ということになるんだと思います。操作性も申し分なく、まさにスタンダードなカメラそのものです。


XF205

さて。一方の気になるカメラは…XF205。先のページでさんざんCFカードの危険性を唱えていたとは思えない展開で申し訳ありません(笑)。

この205ですけど、何が素晴らしいかってまずはそのサイズ感。これは実際に手にしていただくとお分かりいただけると思います。手のひらサイズながら、機能的に配置されたボタン類と「3リング構成」。

実はキヤノンには、この205以前にも同サイズのカメラが存在していました。それが、XF105。実は当方も所有しており、愛機として活躍してもらっています。

このカメラはいわゆる一般的なデジよりも少し小ぶり。それゆえ取り回しがしやすく便利です。しかも画質もなかなかで、十分アクティブカメラとしての存在意義があります。
さらに見逃せないのは、レンズリングの使いやすさ。メニュー内で検知スピードを「ハイ」にすれば、ENGのマニュアルリングを使い慣れた人でもストレスなく扱えるレンズになります。これはまさに特筆ポイント。

ただ弱点もあり、それがサイズゆえの操作性でした。

レンズリングは、サイズの制約上どうしても1つしか搭載できず、アイリスやフォーカス制御は本体左下の通称「くりくりダイヤル」に受け持たせるしかなかった。しかもこのくりくりダイヤル、ミョーな回転検知が入っていて、回転に対しリニアに動いてくれない。つまり「実質的に使えない」。なので、結果としては「AEモードの活用で」半フルオートで撮るしかないというのが実情だったのです。

しかし。今回のこの205の登場で、そうした弱点は払拭されました。なぜなら「鏡頭3リング」だから。ENGと同じ感覚で軽快に撮影することができます。しかもこのサイズ感。…これは将来当社に欠かせないカメラになるかも、と予感と期待が高まります。

「じゃぁすぐ買えばいいジャン」といわれそうですが、そうもいかないんですよ。というのも、今の205には課題がある。それは「値段」。

いくらパッケージがよくても、単板なのにNX5Rとほとんど同じ値段ではだめでしょう(笑)。なのでそこさえ解決すれば、すぐにでも手を出す予定です(笑)。