P2-HD ENG

当社では主力カメラに、Panasonic社の「P2-HD」を採用しています。特に松下信者というわけではないんですが、さまざまなタイミングなどがありP2を導入することにしました。

稼働してもうずいぶん経ちますが、特に大きな不満もなく現在に至ります。というわけで、今回は当社が採用しているP2について、軽めのタッチで少し語ってみたいと思います。

P2とは

P2とは、Panasonic社が開発したハイビジョン対応の業務・放送用メモリーカードシステムの総称です。記録フォーマットを指す言葉ではありません。ですので、概念としては「Panasonicの業務用記録カード」と覚えておいていいと思います。

P2カードは、カタチとしては以前存在していたいわゆる「PCカード」そのもの。ですが、PCカードリーダーでの読み込みはできません。なぜなら、ガワがPCカードなだけで、中身は違うからです。中身はSDカードが4枚仕込まれているといわれています。

(ただPCに詳しい人なら、PCカードリーダーでの読み込みはやってやれなくはない、という情報もある)ガワは意外と堅牢で、ミリタリークオリティといわれています。

P2の場合、AVC-Intra 50と100の記録ができます。50の場合はHDCAM解像度、100の場合はフルHDとなります。地デジの報道であれば、50でも品質的にまったく問題はありません。

またDVCPRO-HDでの記録もできるので、用途に応じてといった感じになります。また後述しますが、AVCHDによるSDカード記録も当社では可能です。

ご納品の際は

P2カードをそのままお預けできるのは、おそらくTBS系の各局さんかなと思います。お預けが可能な場合はそのままお預け・後日ご返却いただきます。

P2カードの環境がない局さまもご安心ください。その旨言っていただければ、SDカードの収録でお渡しします。この場合は汎用性の高いAVCHD記録となりますが、画質も互換性も全く問題ありません。

P2カメラを使用してみて

何よりも感じるのは、カメラとしてのバランスのよさ。某S社さんのカメラをイヤというほど使ってきた当方にとって、それは驚きですらありました。

何のバランスかといえば、まず重量バランス。とにかく負担感が少ない。重さだけでいえば、実際はS社さんもP社さんも、そんなに重量は変わりません。ですが、P社さんのカメラは重心のバランスが圧倒的によいため、疲れないのです。

思えばS社さんの某カメラを使っていた時代は大変でした。もう、デカい、重い、硬い(笑)。なんでカメラを担いだ印象で「硬い」という言葉が出るのかが不思議ですが、「硬い」という言葉が出るほど、体に負担のある重さ感だったのです。

事実、そのS社さんのカメラを嫌というほど担いだことにより、当方はかなり首の骨をやってしまいました(詳細は控えます)。

それに対し。P社さんのカメラは、驚くほどバランスがいい。ほとんど同じ重量なのに、まったく負担感がない。重いと感じるどころか、そのままヒョイヒョイと「ちょっと外観撮ってくるわ」と歩き出したくなるような軽快さなのです。これは非常に助かりますね。 おそらく、重心設計がものすごく優れているんだと思います。そのため、同じ重さでも負担感のない仕上がりになっているんでしょう。


 

あと、デザインがいい。これも見逃せません。親バカ発言ではありますが、惚れ惚れするほどのカッコよさだと思います(笑)。

正直に言うと、当方はソニーの「BVW-400A」「DSR-130」、これを凌駕するグッドデザインのENGはもう出てこないだろうな、とずっと思っていた。しかし、当方所有のP2は、それに勝るとも劣らないデザインだと使うたびに感じています。

一方でS社さんのENGカメラ。最近多い、例のプロフェッショナルディスクのカメラですが、正直「…」と思います(笑)。

問題というか課題はいろいろあります。そもそも、これの元になったカメラはかなり前のDSR-450というDVCAMのENG。これが…ホント残念なデザインだった。左斜め前からズームかけて見た形は、まぁそこそこなんですが、真横から見たらもう絶望的。「これはタコか??」と思わず思ってしまうほどのカタチ(個人の印象です)。まるっきりつんのめりで寸胴な形…。

その450を原型としている以上、グッドデザインにする方が難しいのはまぁ致し方ないところ。ましてディスクの円形がモロ形として側面にしつらえられているので、あくまで当方の感覚からすれば「雛人形の小鼓太鼓か??」と思ってしまう(笑)。これに数百万円出せと言われると…はっきり言って難しい。

 

そういった背景もあるので、現在のP2カメラのデザインは非常にグッドだと思いますね。以前にも書きましたが、ENGは見た目も商品性のひとつに間違いなく入っています。それゆえ、当方はカメラのガワのデザインも大変こだわって見ている、というわけです。