今回は、本文全体が完全に余談モード(笑)。趣味だけで書いていますので、お時間ある方だけお付き合いいただけますと幸いです。テーマは「ハイエイト」。皆さまよくご存知の、8ミリビデオのハイバンド規格です。…まぁ別に考えても考えなくてもいいようなお題ではありますが(笑)、そこはまぁ趣味ということで。とりあえずはじめてみましょう。
個人的に大好きな形・大きさ
ハイエイトで思い浮かぶのは、映画「ミッション:インポッシブル1」のワンシーン。作品冒頭・ジョン・ボイドが飛行機のファーストクラスに鎮座し、メディア経由で指令を請けるアノ超有名なシーンです。ここで、第一作目ではナントハイエイトカセットが登場するのです。
この映画は確か…1996年(だったと思う)の日本公開。当時大学4年生だった当方が、東京の映画館で見た記憶があります。そしてこの作品には、当時としては最先端とされるメディアがイロイロ出てくる(今はなきMOとか)。その象徴的な存在が、作品冒頭に出てくるこのハイエイトなのであります。
8ミリビデオに関しては、登場当初からその小ささ、扱いやすそうなサイズ感に当方ずっと魅了されていました。ですがそこは当時の若人、先立つものがなく入手できずにいました。それゆえ、ミッション:インポッシブルのシーンにはしびれたものです。
そしてこのシーンでは、あらゆるカットが魅力的だった。客室乗務員がハコの中から取り出すカット、ジョンボイドがケースから取り出すシーン、そしてアームレストにセットされたデッキに挿入する場面、などなど。
このシーンを目の当たりにして「なんとしてもハイエイトが欲しい!」と願ったものです(笑)「デッカイS-VHSはもうこりごりだ! 保存版のビデオはハイエイトで揃えたい」と。
そして登場したのが、超シンプル構造のハイエイトデッキ・EV-PR2だったのです。やっと手に届く価格帯のデッキ登場、当然すぐに購入しました。そこから当方のハイエイト生活(笑)がスタートしたのでした。
ハイエイトは癖がある
実際にハイエイトを使ってみて分かったことがいくつかあります。
まず、ハイエイトには癖があること。たとえばカメラ撮り(当時は当方まだ学生でしたので、フジのシンプルハイエイトで撮影していた)では、それこそ鮮明であざやか・気持ちが高ぶるような絵を見せるのですが、いったんテレビ番組録画やダビング用途で使ってみると、それこそヘナヘナのヨレヨレ映像になってしまう。
なぜこんな不思議なことが起こるのかはまったく不明ですが、そんな癖がありました。
これはメディアの方でも伝えられていました。当時のビデオサロン誌の記事を見ると、上記のようなことをそこはかとなく当たり障りのないように何とか伝えようと苦心している様が、文面と行間から伝わってきます。
と、そういった癖のある、正直S-VHSには及ばない性能ながら、その魅力的なカセットサイズゆえ愛用していたわけです。
25年後の生存確認・我がハイエイト
ところでそのハイエイト。あれから25年近くが経過した今、ふと見返してみたいと思い…押入れからPR2を掘り出してみました。25年も前の、しかももともと機構的に精密というか無理のある(笑)ハイエイト、まだ生きているのだろうか?
恐る恐る電源を入れてみると…ナント! 電源は入りました。さらに恐る恐る、25年前のカセットを挿入すると…ちゃんとローディングするではないですか。これにはカンドー感涙ものでした。
ただ、さすが25年の時はダテではありませんね。半分くらいのカセットは再生はできるんですが、ノイズだらけになっていました。さらにそのうちの半分は、再生中にテープが切れてしまいました。
一方、VHSでも似たようなことをやってみたんですが、さすがVHS。テープが切れるということは一切ありません。しかも全本きちんと再生できます。
やはり結果論ではありますが、業界の覇者となったVHSは、さまざまな意味で勝つべくして勝った規格だったといえます。個人的にはBetaとハイエイトの方が好きですけどね。