AG-HMR10の話

外部レコーダー・HMRのお話。パナソニックから発売されていたAG-HMR10。AVCCAMラインナップの商品で、HD-SDI入力信号をSDカードに記録してくれる機材です。大変便利で、文字通り拡張性を飛躍的に広げてくれるレコーダー。今回はこのモデルについてお話します。

1台あるととっても便利

AG-HMR10は、HD-SDI入力をAVCHDに変換・SDカードに記録してくれる外部バックアップレコーダーです。実はすでに後継機が発売されていて、そちらはAG-UMR20になります。こちらはさすが最新型にふさわしく4K対応しているのが特徴。ただここではその新機種ではなく、HMRの方に絞ってご紹介します。


このHMRですが、ENGカメラマンなら1台持っておくと便利です。バックアップレコーダーは現在、ブラックマジックやアトモスなど、さまざまな種類が発売されています。しかし本製品はそれらとは一線を画しています。

列記すると…まず、ブラックマジックと違って「タリー連動」してくれる点。そして、アトモスニンジャとは違って振動に強い「メモリー記録」である点。さらに、ほかレコーダーとは違って、極めて汎用性の高い「SDカード&AVCHD記録」である点です。

高い汎用性を手に出来る

記録媒体であるSDカードは、現在日本ならどこでも入手できる。しかもAVCHDなので、コーデックに対応していない局はない。つまり、本当の意味での汎用性を獲得している唯一のプロ機材といっても過言ではないと思います。

※ HMRは32GBのHCカードのみ使用可能です

個人的に最高に評価しているのは、やはりSDI入力でタリー連動してくれるところですね。この機能のおかげで、どんなカメラを使っていても互換性に困ることがない。

ここでいう互換性とは、局さんにお渡しする際の互換性のことです。たとえば、当社で使用しているP2カードは、TBS・MBSなどJNN系以外では若干マイナーな存在。しかしそんな場合でも、SDカードで収録を渡すことができる。

また例えば、汐留にある某局さん(笑)では、今もまだHDCAMかNXが主軸メディアとされている。こうした場合にも、SDカードのM2TSデータでお渡しすることができる。

つまり、HMRさえあれば(SDIさえ付いていれば)どんなカメラでも使うことができるのです。カメラマニアにとって、夢と可能性と楽しみを飛躍的に広げてくれる存在。実に有用な周辺機材です。

ただ残念なのは、本製品はすでにディスコンということ。確かに後継機としてUMRはありますけど、まぁ~まだまだ割高ですからね。もし気になる方は、お早めにエービックさんなどで入手されることをおススメいたします。