現場でいきなりカメラが…

どんなお仕事にも「現場」があり、その現場では常に予期せぬことが起こるものです。

当社の場合もご多分に漏れず。10年以上この仕事をさせていただきてきて、いろんな経験をしてきました。

そんな中、誰もが動転してしまうような経験もちらほら。今回はそんなお話です。もしかしたら皆さんも同じような経験、あるかもしれませんね。

某イベント撮影中に

思えばもう8年くらい前になるでしょうか。横浜の某所で、あるイベント撮影をしていたときのことです。当時はまだハイビジョン時代ではなかったので、SDによる撮影。使用していたのはAJ-D410Aという、DVCPROのフルカセットカメラです。

はじまって数時間はまぁ順調に撮影していたんですが、あるとき「バツッ」という音(したかしないか記憶にないんですが、イメージとしてはしたような気がする)とともに、カメラがブラックアウトしてしまったのです。

急なことなので何が起こったかすら分かりません。ですが、「はいはい、バッテリーが死んだんだろ?」と無理に平静を装いバッテリー交換。

しかし! それでもうんともすんともいわない。その瞬間顔面蒼白に…「もしかして、カメラ死んだ??」

…こんなこともあるもんなんですね。でもそこはさすが当社(笑)、即座に予備のデジを引っ張り出し、撮影自体は無事終了させることができました。

おそらくですが、カメラのコンデンサーが逝ってしまったんじゃないかと思います。しかし、それにしても恐ろしい話。当時はまだテープの時代ですから、そこまでの撮影データは全て残っていましたけど、もしこれがデータカメラだったら…場合によってはデータが全部消失していた可能性もあったわけで。恐ろしい話です。

こうしたこともあるので、記録ものや一発撮り案件には予備カメラやバックアップは必須だなと強く認識した一件でした。

ちなみに余談ですが、件のD410A。これは素晴らしいカメラでした。カメラヘッドの公称値は一応F11なんですが、体感的には後にも先にもこんなに明るいカメラは使ったことがありません。

絵づくりも暖色を基調としたトーンで悪くない。当時はCCDの時代でしたから、色の素性もよくまた管理しやすい。それもメリットでした。

さらにデッキメカの優秀さも秀でていましたね。何しろレックタリーの早いこと。後のHDWとほぼ同じ感覚でしたから。
しかもガワも十分に精悍なデザインでしたし、持つ喜びも満たされた。大きさも手ごろなサイズで取り回ししやすく、名機といっていいカメラだと思います。