ENGの現場照明技術

撮影に「照明」は必須です。報道ロケはもちろん、番組ロケでも必需品。実際には「出たとこ勝負!」の撮影も多い報道ですが、先方を訪問して撮影するような場合などでは使用頻度が高くなります。今回はその照明技術のお話です。

照明の現場技術とは

自身を「ENGのカメラマン」と標榜するなら。ロケに必要な最低限の照明技術は持っていて当たり前…これが当社のカメラマン基準です。昔はどんな現場でもそれが当然でした。

いや、とはいえ何も照明部のスタッフさんと同レベルである必要はないのです。しかし。現場で必要な基本の3点照明、加えて小型ライトを用いた演出照明程度はできなければ、そもそも仕事にならない。それゆえ、照明はENGカメラマンとして最低限持つべきスキルといえます。

デジが生み出した問題

ここで少し余談になるのですが、最近はこの部分がまったくできない人がものすごく増えています。理由は簡単。デジで何かを撮影できれば、即「カメラマン」と自称するような人が増えたから。どこの業界がその根源か。それはイロイロ問題が発生するのであえて明確にはしませんが(笑)、とにかくそうした傾向がある。本当に困ったものです。

さらに別の問題も。報道や番組制作経験のない、企業VP専門のような会社でも同じ問題が発生している。要は、考え方に柔軟性がない…照明といえば、イコールパルサー、イコール500W。そうした考えしかない。さまざまな機材があること、それらを試した上で使い分けること、そうした発想のないところがほとんど。これはこれで困り者です。

当社では上記のいづれの業者も、現場でつぶさに目の当たりにし分析を行ってきました。そうした情報も加味した上で、「現場にもっとも即応し」「よい結果と身軽なパフォーマンスを実現できる照明オペレーション」。これを現場で実践しています。

近年の照明技術の革新とは

近年の話題は、やはりハロゲンからLEDに移行したことでしょうね。これは大きな大きな意味を持ちます。ライト本体の寿命が延びたこともありますが、それ以上に「消費電力が1/10になった」こと。電気代のことではありません。要は「ケーブルレス」が実現した、ということ。

現場の方ならお分かりのとおり、照明のケーブルがどれだけ邪魔くさく、さまざまなトラブルを誘発する原因になっているか、さらに撮影のサクサク進行を妨げてしまうか…これまで本当に大変でした。こうした問題が一切払拭されたわけですから、最高の現場革新といって過言ではありません。

さらにこれは、カメラ装着ライトにも当てはまります。S社のデジ用NPバッテリー1本で、従来のENG-BPによるバッテラ相当の照明が可能になった。つまり全部が全部ではないですが、照明マンなしである程度の夜間ロケが可能になった。さらにライト本体お値段も、書くことがはばかられるくらいの超安値で入手できる。

ここ数年の現場技術最大の革新点は、実は照明関係だったんじゃないか。そう思えるくらいです。

というわけで、当方ではLEDを最大限活用し、従来ワンマンでは不可能だったトリッキーなまでの現場オペレーションを行っています。もちろん照明技術は折り紙つき。ぜひご用命くださいませ。